●転職のメリット・デメリットを考える●
転職を成功させるためには、まず転職した場合のメリット、デメリットを客観的に比較検討し、メリットがデメリットを超えると見られる場合にのみ、転職に踏み切るべきでしょう。すなわち、転職することで得られるメリット、現職の仕事環境や人間関係からの離脱、新しい職種への挑戦、待遇面の交渉など、現職における不満や不安を改善し、新たな可能性を試せるなどのメリットと、今まで勤続することで築き上げてきた実績や社内での信頼および環境、また顧客との間の関係性、また、より具体的には勤続年数に左右される退職金や社宅、住宅ローン補助など、今までに構築してきたものを失うデメリットとを、バランスシートを作成するなどして比較し、客観的にメリットが勝ると判断できる場合にのみ転職を検討すべきでしょう。その際、転職によって得られるメリット面については、自分が望んでいることと、実際に得られるメリットとの間にギャップが生じている場合もあるので、キャリアコンサルタントなどに相談し、客観的なアドバイスを受けることが有効といえます。
●自己分析は客観的に●
転職を決意する場合、現職への不安や不満が理由となるケースは少なくありませんが、それだけが理由である場合には、職を転々とするジョブホッパーになりかねません。転職を成功させるためには、転職の目的が現職からの離職にとどまることなく、より積極的なキャリア構築のために必要であるのか否かを考えることが大切です。現在のスキルとキャリアをスタート地点として、どのようなキャリアプロセスをたどるべきかを具体的に描くためにも、まずは明確な目的を認識する作業からはじめましょう。ただし、やみくもに夢や希望を思い描くのではなく、目的の設定と同時に、過去の職歴や、身につけたスキル、資格などを具体的にリストアップし、客観的にキャリア分析をおこない、両者のギャップを埋めていくことが必要となります。すなわち現在のキャリアやスキルをスタート地点として、ゴールとなる転職目的を設定すると同時に、ゴールに到達するために、現在のスキルをアップさせることを考えるという作業が必要となります。こうした現在のキャリアと転職目的の分析を通して、転職活動における方向性やアピールポイントを、しっかりと認識することが、転職成功の鍵といえます。転職を考える場合、多くの人は、自分の希望など、主観的な観点からキャリアと目的を考えやすい傾向にあるため、キャリアコンサルタントに相談するなどして、客観的な分析を心がけるようにすべきといえます。
●退職後の転職の場合●
現職中の転職活動は、時間的制約が多く、効率的な情報収集や面接日程の調整が困難であるということができます。しかし、退職してから転職をする場合、再就職までの期間が予想以上に空いてしまう可能性や、ブランクが長くなるほど金銭的なリスクが高くなるなどのデメリットがあるため、なるべくキャリアにブランクを生じさせないよう、現職を続けたまま転職活動をおこなうことを基本とすべきでしょう。とはいえ、さまざまな事情から、退職後に職探しを始めざるを得ない場合には、できる限り事前の計画を立て、経済的なリスクを軽減させるための備えをすべきこととなります。この際に、必要経費として考えられるのは、再就職までに要すると考えられる期間の生活費、1社平均2〜3回に及ぶ面接を受けるための交通費、場合によっては引越費用などが挙げられます。再就職までの期間が予想より長くなるなど、予想以上の出費が生じることが考えられるため、これらの経費に何割か上乗せした金額を準備するのが理想といえます。また、再就職までのブランクが長くなると、面接時に理由を問われる場合もありますので、退職から転職活動までの経緯をきちんと説明できるよう、事前に準備しておきましょう。