●転職の目的を考える●
現職に対する不平・不満が募ると、とにかく職を変わりたいという思いが強くなることがあります。しかし、衝動的に職を変えることは、のちのち職を転々とするジョブホッパーへの第一歩となり、その結果、キャリアダウンを重ねるようなことにもなりかねません。待遇面のアップを望む場合にも、キャリア構築を具体的に描ける転職をおこなわなければ、現職で勤続する以上の待遇を望むのは難しいのが現状です。ただしキャリア構築とひと口にいっても、一朝一夕に望めるものではなく、3年後、5年後、10年後・・・、などある程度長いスパンでキャリアアップを目指すことが必要となるため、具体的なキャリアプロセスを思い描くことが必要となります。こうした長期的なキャリアプロセスを認識した上で、次の転職の目的をどこに設定するかを考えることが、未来へとつながる転職となるといえます。この目的設定では、単に希望を掲げるのではなく、目的と現在のスキルとの間のギャップが大きすぎないかということに留意すべきでしょう。というのも、このギャップが小さいほど、企業から採用されやすいということができ、現在のスキルから到達可能な地点を次の転職目的として設定することが転職成功の鍵ということができます。すなわち、10年後の目標などとは別に、そこへたどりつくためのプロセスとして必要なキャリアを次の転職の目的として認識すべきといえます。
●今までのキャリアを整理する●
転職活動において、転職目的の認識は不可欠ですが、それと同時に、目的到達のスタートとなる現在のキャリアやスキルの認識も、同様に不可欠であるといえます。このキャリアの整理を、転職業界では「キャリアの棚卸し」と呼び、転職希望者に対し、具体的なキャリアの洗いなおしを指導します。このキャリアの棚卸しでは、今までの職歴を職務経歴書に時系列的に羅列すればよいというのではなく、たとえば営業マンであれば具体的な売り上げ成績など、詳細な実績についても付記するようにすると、採用担当者にアピールしやすいといえます。基本的な考え方としては、どのような部署で、どのようなプロジェクトにかかわり、どのような実績を挙げることができたのかという点を、築き上げた人脈なども交えてアピールするというのが効果的です。加えて、今後どのような方向に進みたいのかという点についても、キャリアと一貫したビジョンを伝えることができれば、転職成功はもう間近ということができるでしょう。
●キャリアプランの立て方●
会社に入りさえすれば、あとは勤続年数によって、自動的にキャリアがアップするという時代は終わり、現在は、各自が自発的にキャリアプランを立て、それに合わせたプロセスをたどらなければ、着実なキャリアアップは難しいといえます。ただ、この場合にも、望みが高ければよいかというと、そうではなく、現在のキャリアと目標とするキャリアとのギャップが大きすぎては、即戦力を望む傾向にある企業から採用される可能性は低くなります。着実なキャリアアップという観点からは、やりたいこと(目標)とできること(スキル)のすり合わせが必要となります。このすり合わせの際に有効な視点としては、今までのキャリアと転職後に望むキャリアに継続性があるかを意識することです。一見、異なる業種への転職である場合でも、今までに培ったスキルが、他業種において、どのように生かせるのか、また今までに築いた人脈を、どのように生かせるのかといった点をアピールすることによって、キャリアの継続性を保つことが可能となります。表面的な継続性ではなく、実績から線をつないで、キャリアを紡ぐことで、キャリアアップが可能になるということができます。さらに、未経験の分野で潜在能力をアピールする場合にも、今までの実績をスタートとして、どのようなビジョンのもと、新しい分野に進もうと考えているのか、転職目的を明確に示すことができれば、キャリアを線でつなぐことは可能といえるでしょう。